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国際交流

豊中市在住の吉川様、ドイツ人留学生に愛用のそろばん贈呈

 「私のそろばんを、是非、差し上げたいのです。志のある方に使っていただけたら…」
国際センターにかかってきた一本の電話。それは、本学の留学生が、わずか8か月という短い学習期間で「珠算検定1級」に合格したことを報じる新聞記事を読んだ方からの、心温まるお申し出でした。

 ドイツのボン大学大学院に在籍しているヤネック?フレーパさんは、昨年10月から約1年間、本学理学研究科のレーザー量子物理研究室(代表:井上慎教授)で研究生をしていました。来日後、手続きの関係で訪れた国際センターの壁面に貼られた「外国人向けそろばん教室」のチラシが目にとまり、参加してみることに。もともと、理系科目、特に数学が得意だったというヤネックさん。めきめきと上達し、新聞で取り上げられたように、外国人として4人目の快挙という1級合格を果たしました。

 豊中市にお住いの吉川邦子様は、毎日の日課として夕刊を読んでいたところ、この記事に遭遇。「へえ~すごい外国人がいるのね」と驚いたそうです。数日後、たまたま引き出しを整理していた時に、学生時代に使用していたそろばんが目に入りました。両親が買ってくれたもので大事にしていましたが、長い間存在さえ忘れていました。その時ふと、数日前に読んだヤネックさんの記事を思い出しました。眠らせておくぐらいなら前途ある若い人に使ってもらいたい、と急いで記事を探して読み直し、ヤネックさんの留学先である大阪市立大学に電話をしてくださったのです。

? 2019年9月3日、グローバルビレッジで、吉川様とヤネックさんが対面、綺麗に磨かれ新しく用意してくださったケースに入れられたそろばんを譲り受けました。ヤネックさんは、「本当にありがとうございます。素晴らしいお土産をいただきました。次のそろばん教室にも持って行きますし、ドイツの家族にも見せたい」と感謝を述べ、早速いただいたそろばんを使って、実技を見せてくれました。(もちろん全問正解!) ユニークかつ心温まる国際交流の機会をくださった吉川邦子様、本当にありがとうございました。ドイツに帰国したヤネックさん、吉川さまのそろばんで、引き続き“そろばんの達人”を目指してくださいね!

  

※産経新聞2019年7月30日夕刊